不動産

不動産投資をするなら最初に知っておきたい!物件の修繕費用

不動産投資家を悩ます一つのタネとして「物件の修繕」があります。

一棟物を所有していたら必ず考えなければならない事項になりますが、大家さんの中には

「そもそも物件が古いから修繕は必要なし」

と考えられている方もいるみたいですが、

法律では、民法第606条に「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」(賃貸人=大家)と定められていますから修繕はしなければなりません。

では、修繕とはどういった項目があるのか詳しく見ていきましょう。

修繕には3種類ある


建物は必ず老朽化していきます。その老朽化を少しでも遅らせる、また問題の部分を直すといった修繕が必要になります。ここを怠ってしまうと、物件の資産価値が下がってしまう、築年数のわりに建物の劣化が早いなどといったことにつながってしまいます。

資産価値を下げないためにも修繕を行うことは必須で、その修繕を詳しく分けると下記の3種類になります。

大規模修繕

10〜15年に1回のペースで行う比較的大きな修繕です。大規模修繕は、修繕箇所が多い、修繕が終わるまでの時間が長い、修繕に必要な部品が高いなどから計画をしっかり行わないとできない修繕になります。

 

修繕予防

修繕予防とは、大きな修繕が必要となる前に対処するための費用です。エントランスや廊下のひび割れ、自動ドアの故障など事前に直しておけば、先々の修繕コストが抑えられることができます。

 

原状回復修繕(小規模修繕)

原状回復修繕は退去後のクリーニングや室内の設備等の修繕を指し、小規模修繕とは共用部分の日常的な修繕などを指し、主に数万円未満のものを指すことが多いです。

 

主な修繕費と修繕内容・時期・費用の相場

大規模修繕で具体的にどこの箇所をどれぐらいの時期に行わなければならないのか、そして費用はどれぐらいかかるのか見ていきましょう。

外壁工事

外壁工事とは主に外壁塗装を指すことが多く、一般的に10〜15年程度で塗り替えと言われています。外壁塗装を行うことによって建物の見栄えがよくなったり、耐久性が伸びたりします。外壁工事費用の目安は、建物の規模などにより足場の有無、塗装材料にもよりばらつきはありますが、おおむね1㎡=1〜3万円程度です。

 

給排水管工事

配管関係は15〜30年程度の寿命といわれていますが、ニオイやつまり、給水量の低下が見られる場合は修繕が必要になってきます。症状が軽く配管を補修するだけの工事でしたら1戸あたり15万円程度から修繕が可能です。
症状が重く、配管そのものを取り替えとなると1戸あたり40万円程度の費用がかかります。

 

給水ポンプ交換

アパートには各部屋に給水するために給水ポンプが使用されています。だいたい10年〜15年程度で交換が必要となります。費用の目安は、70〜150万円程度です。

 

屋根やベランダの防水工事

屋根やベランダの防水工事も10〜15年程度を目安に修繕が必要です。修繕を行わないと、雨漏りを起こす原因になります。現在はスレート瓦の塗装による防水が主流で、塗料にもよりますが、1㎡=数千円〜1万円程度です。

 

防錆工事

共用部分の鉄製でさびやすい部分(鉄骨階段、手すり、鋼製扉、メーターボックス、消火栓ボックス、各戸玄関ドア枠、エレベーター扉、駐輪場ラックなど)のさび落とし・塗装を行います。5年ぐらいが目安で費用は1㎡=4000円程度です。

 

消防設備

火災報知器や表示灯などの消防設備は、定期的な点検が義務付けられています。修繕は20年程度で行うことが一般的で、消化器設置には5000円〜15000円、自動火災報知器は15〜40万円程度です。

 

エアコン・給湯器の交換

それぞれ10年程度での交換が目安で、費用は10万円程度です。

 

エレベーター

エレベーターにも定期的な点検が義務付けられています。エレベーターのリニューアルは約30年で実施することが一般的で、工事内容にもよりますが、1基あたり400〜1500万円かかります。

修繕リスト一覧表

 

大規模修繕には計画的に

上記のように物件修繕費、特に大規模修繕は大きな金額が必要になるのがお分かりいただけましたか?

物件の資産価値を維持するため修繕は必ず必要ですし、修繕費用の計画も資金計画に入れておくことは必要です。

万が一資金計画の中に、修繕費用が含まれていないと大きな修繕ができない、緊急を要する修繕ができなく資金操りに困ってしまうなどに繋がってしまいますので注意が必要です。

修繕費用をリフォームローンでまかなう方もいますが、金利の負担が大きくなるのでオススメしません。その代わりに毎月修繕費用を積み立てましょう。

修繕目的の積み立ては、家賃収入から5%程度を積み立てておくといいです。

修繕に関わるトラブルと回避法

「修繕に関してトラブル?」

と思われるかもしれませんがお金が発生するところには必ずトラブルがつきものです。賃貸経営の修繕の際のトラブルは主に、物件の購入時、入居者の退去時に発生します。

①中古物件を購入時は必ず修繕履歴を確認する事
中古アパートなどを購入する際、必ず修繕履歴を確認したほうがいいです。特に築10年以上の物件で修繕履歴がないと購入してから、自身が大規模修繕をしなければいけなくなったなど割高な買い物になってしまいますので注意が必要です。

②退去時の修繕はどういった取り決めをしているか
退去者が出た場合、部屋内の原状回復のためにリフォームやハウスクリーニングを行います。しかし、この費用をどこまで退去者が責任を負うかという点でトラブルになることがあります。

原則として、入居者が汚損した部分については入居者に原状回復義務が生じますが、判断が難しい場合もあります。

トラブルとならないために、入居時の契約書・重要事項説明書で取り決めておき、入居時にきちんと説明しておくことが重要です。
また、退去時には必ず立会い、状態を退去者と確認を行いましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。修繕は必ず必要になってきますので慌てて資金を集めなければいけないなんてことにならないよう、計画を立てしっかり資金操りをしましょう。

また、少しでも修繕費を下げるために色々なリフォーム業者の見積もりを取り寄せ、金額の比較をしましょう。比較と同時にその業者の評判も大事になってきますので見落とさずチェックが必要です。

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