前回、積算評価について解説をしましたので今回は「収益還元評価」について解説をしていきます。
収益還元評価とは、不動産の収益性に着目して、その不動産から将来得られるべき価値を現在に割引して評価する。by.Wikipedia
簡単に言ってしまえば、その物件が収益力があれば価値が高くて、収益力が低いなら価値が低いということです。
では「収益還元評価」とはどういった計算方法をするのかなど詳しくみていきましょう。
収益還元評価は2種類ある
収益還元評価を出すには実は2種類の計算方法があります。
・直接還元法
・DCF法(ディスカウントキャッシュフロー)
の2種類です。直接還元法は簡単な計算で、DCF法は難しい計算をして正確な価値を出すといったものです。
直接還元法
直接還元法とは、1年間における純利益を還元利回りで割ることによって、収益価格を求める方法です。計算式は
1年間の純利益
家賃などの収入に、管理費などの経費を引いた実質利益のことを指します。
1年間の純利益=総収入(家賃収入など) – 諸経費(管理費など)
例え:毎月の家賃が5万円、諸経費が年間20万円の場合、
(5万円×12ヶ月) – 20万円 = 40万円(純利益)
となります。
還元利回り
還元利回りについては、実は一覧表や計算式がある訳ではなく、物件周辺の類似物件の取引事例や販売中物件の利回りを参考し算出します。
簡単に調べる方法として、下記のサイトでエリアごとの想定利回りを調べることができ
この数値を参考に計算できます。
例えば、東京都、新宿区の場合、
利回りは4.6%となっていますので、
年間の純利益が40万円の物件であれば、
40万円÷4.6% = 869万5652円
が収益価格になります。
DCF還元法
DCF還元法は、不動産を保有している期間に得られる得られる純利益と、その後に売却して得られると予測される価格を、現在価格に割り戻して合計し、不動産の価値を求める方法です。
ややこしいのが、「割り戻して」という所で、DCF法は今の10万円と5年後の10万円とでは価値が違うという考え方で、
「不確実な将来よりは今の10万円の方が価値が高い」
という考えなので、現在価格から割り戻す必要があるのです。
例えば、1年間の収益240万円、経費40万円、保有期間5年間、割引率3%、売却時の想定価格3000万円の物件で計算してみましょう。
3,000万円÷(1+0.03)⁵=2,587万円
194万円+188万円+183万円+177万円+172万円+2,587万円=3,501万円
となります。
まとめ
いかがだったでしょうか。DCF法は複雑ですが、直接還元法であれば簡単に計算できますので自身の物件の評価を確認してみてください。
また、評価方法を覚えておけば物件購入時や融資を引く際にとても役に立ちますので当サイトを参考に計算してみてください。